NPO法人化の解説


 1.なぜNPOなのか。

(1)市民活動はすごい。
 阪神淡路大震災から痛手ををうけた人・街を救ったのは、なによりも全国から手弁当で集まった多くの市民でした。一日6万人、のべ130万人という大勢力が、国・自治体よりも、はるかに素早く小回りの利く活動を繰り広げ、それが復興の大きな原動力になったことは誰もが認めるところです。その後、市民が自分たちの住む社会のニーズにみずから応える、そんな活動が爆発的に増えました。力を付けた市民活動は行政、営利企業に続く社会の第三の勢力になろうとしているのです。

(2)開拓使の会もすごい。
 私設北海道開拓使の会は、移住希望者に情報を提供し共に語り合い夢の実現を目指すという互助的な面を持っています。しかし300家族に迫ろうとする移住の実績は、各人の夢の実現であるだけでなく、刺激的で意欲のある人材が北海道に飛び込み、北海道に定着し、北海道のために活躍する際の窓口として、私たちの会がはたらいてきたということも示しています。
 北海道移住を志す会員のための集まりであると同時に、北海道のためにもなっている、そんな集まりに成長してきました。

(3)力はつけても子供扱い?
 しかし、私たちの会を含め、これらの市民活動団体を一つ一つを取り上げてながめてみると、そんなにハッピーなものばかりではありません。人や街のために大きな働きをしているのに、それを知らない人からは、趣味の同好会のように扱われることがあります。  他人の目だけではありません。これらの市民活動団体は、団体の名前で不動産などの財産を持ったり、電話の契約を結んだりすることが許されていません。その結果、団体の財産なのにだれか個人の名義で持つ、団体で使う電話なのに誰か個人の名前で契約する、という実体に合わない状態になり、ときにトラブルのタネになることすらあります。

(4)なんでそうなの?
 ひとりひとりの人間には、それぞれ人格があります。これと同じように、団体にも「その団体としての人格」があってしかるべきです。これを「法人格」といい、これがあるからこそ団体の名前で財産を持ったり契約をしたり、と社会的に振る舞うことが出来るのです。
 世の中の会社は皆、この団体としての人格=法人格を持っていますが、残念なことに市民活動団体の多くは持っていませんでした。日本の法律は、団体が人格を持つのは法に定める場合に限る、とする一方で、市民活動団体が法人格を得られるとする法律がなかったからです。

(5)じゃあどうすれば?
 そこでNPO法人です。
 1998年にできたNPO法という法律によって、不特定かつ多数の人のためになる活動を行う団体は、比較的簡単に法人格を得ることが出来るようになりました。
 法人格を得ると、まず外から見る目が違ってきます。
 法律で定められた手続きを経ているので、たとえわれわれの活動内容を知らない人でも「む、ひとかどの団体だな」と一目置いてくれるようになり、また理解してもらいやすくもなります。その結果、有形無形の社会的認知を得ることができます。
「お、あの開拓使の会か」とみんなから認めてもらいやすくなるというわけです。もちろんいままでにも増して活動の充実は必要ですが。
 また法人格を得ることで、私設北海道開拓使の会が「私設北海道開拓使の会という名前で」振る舞うことができるようになります。財産を持つときも電話の契約をするときも会の名前で行うことが出来るようになるのです。

 ちなみにNPOとは、英語で、非営利の組織を意味するNon Profit Organizationの頭文字を並べた名称です。


2.NPO法人の中身。

(1)会の運営に協力してくれる人、集まれ。
 私設北海道開拓使の会の舵取りをするいわば運営委員が「社員」と呼ばれる人です。社員は寄り集まってこれからの会の大きな方向を決めます。その寄り集まりの機会が社員総会というもので、少なくとも年に一回は開かれます。
 なお、社員にはどなたでもなれます。会の運営に協力してくれる人、集まれ、というわけです。

(2)何か決めるたびに社員総会するの?
 日々の比較的細かな業務に関することを決めるのに、いちいち社員が集まるのは現実的ではありません。そこでこれらの事項は理事と呼ばれる人たちが理事会を開いて決めます。また理事は、社員がみんなで決めたことを実行する役目も持っています。私設北海道開拓使が会の名前で振る舞うといっても、会自身が現実になにかをすることはできませんから。
 この理事を監督するのが監事という人です。
 NPO法人では理事は3名以上、監事は1名以上置かなければなりません。


3.あなたはどうなるか。

 現在、年会費を払っているあなたはどうなるんでしょうか。今のままと変わりません。
イベントや情報のやりとりなどへの積極的なご参加をお待ちしています。
 もしあなたが「よし、会の舵取りに参加しよう」という気持ちをお持ちならば、ぜひ先に述べた「社員」になって運営に参加して下さい。


4.スケジュール

 3月9日の設立総会を皮切りに法律的な手続に入ります。7月中にはすべての手続を終えNPO法人になる予定です。