すでに“かわらばん”紙上でもお伝えしてきたとおり、開拓使の会の本、『新・北海道移住!』がようやく3月下旬に発刊のはこびとなりました(これまでは仮題「北海道移住という生き方」としてご案内していました)。昨年夏には会員の皆さまにアンケートへのご回答をお願いし、何人かの方々にはさらに詳しくお話を伺いました。これらのご協力をいただいた方々に、まずはお礼を申し上げます。
さて、この新刊がどんなものであるか? ここに挙げた内容の項目からおわかりいただけるとおり、基本的には“移住”を考えるにあたって、実用的に役立つ内容を目指しています。しかし今回、実際に移住を実行された方々にお話を伺うなかで感じたのは、それぞれの移住観、プロセスがまったく異なったものであることでした。移住という大きなテーマに対して、安直なマニュアルを書き、単純なノウハウを引き出すことなど到底できないのだと実感しました。
加えていえば、インターネットの普及によって具体的な情報がリアルタイムで入手できる状況も、無視できない存在です。インターネットのもつ“即時性”に、出版物が太刀打ちできるはずはなく、おそらく数年間は書店に並んで読まれるであろう書籍に、データ的な内容を並べてもあまり意味がありません。
そんな状況を考えつつ、本書のコンセプトとして考えられたのは、なぜ移住するのか、なぜ北海道なのか、といった根本的な疑問を、読む人にもう一度考えてもらうこと、でした。特に北海道経済が厳しい状況にあると伝えられる昨今、この問題はきわめて重要な部分です。もちろん本書は無理な決断を勧めはしませんが、かといって伝えられる情報だけで夢をしぼませてしまうことにも疑問を呈します。
本書には著者自身も含めて10件の移住事例が出てきます。仕事も年齢もさまざまですが、唯一共通するのは「気に入った北海道に住むという目標を実現した」ことです。これらの事例を読者それぞれの視点で読み解くことにより、移住というテーマをじっくり考えるきっかけになれば幸いと考えています。
また目次からも見て取れるように、生活面での具体的な情報は私自身の体験も踏まえ、かなり詳細かつ具体的に網羅しています。本州の人には大いに気になる冬の暮らしに関しても、ページを多く取りました。北海道が好きな人、住みたくて悩んでいる人、すでに移住を決めた人……にぜひ読んでいただきたい一冊です。
(佐藤圭樹)
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